黄泉のツガイ|荒川弘が11年ぶりに描く「禁忌の山」

「知ってはいけない」と言われたとき、あなたはどうする?
誰かを守るために目を背け続けた夜、ふと「本当のことを知りたい」と思ったことはないか。
荒川弘が11年の沈黙を経て描き始めたのは、まさにその問いの、答えが見えない場所だった。

黄泉のツガイ 表紙

黄泉のツガイが描くもの

舞台は山深い里。主人公のユルは、幼い頃から「山に入ってはいけない」と言い聞かされて育った。その理由を問えば口を閉ざされ、禁じられた境界線の向こうに何があるのかを知る術もないまま、日々を過ごしていた。

ある日、妹が山へ消えた。ユルは初めて、禁忌の扉を越える。

「なぜ禁じられていたのか」を知ったとき、それが呪いなのか、守護なのか、もう判断できなくなる。

『鋼の錬金術師』でも描かれた「等価交換」の問いが、この作品では別の形で牙を剥く。力を手に入れるとはどういうことか。誰かとの「ツガイ」になるとはどういうことか——答えを言葉にする前に、物語がこちらを追い越していく。

黄泉のツガイを読むとこんな体験ができる

  • 「知ってはいけない」ものを知ってしまう恐怖と高揚
    禁忌を犯した瞬間の後悔と解放感が同時に押し寄せる。ページを閉じられない。
  • 守りたい者がいるからこそ追い詰められていく息苦しさ
    誰かを守ろうとするほど、自分の足場が崩れていく。その理不尽さが刺さる。
  • 「対」であることの意味を問われる感覚
    一人では完結しない力の設計が、登場人物の関係性に不思議な緊張と信頼を生む。
  • 荒川弘にしか描けない「世界の設計図」を見る快感
    謎が解けると「そういう仕組みだったのか」という納得と、また新たな問いが生まれる。この繰り返しが止まらない。

黄泉のツガイはこんな人に刺さる

  • 「なぜ教えてもらえなかったのか」と思ったことがある人
    親や社会から「知らなくていい」と遮断された経験がある人ほど、ユルの怒りと迷いに息が詰まる。
  • 『鋼の錬金術師』を読んで「荒川弘の次が見たい」と10年待ち続けた人
    あの世界観の密度と、伏線が回収される瞬間の快感をもう一度味わいたいなら、迷わずここから始められる。
  • 「大切な人を守りたいけど、自分が正しいかわからない」と感じている人
    善意と犠牲と禁忌が混ざり合う物語は、単純な勧善懲悪では絶対に終わらない。そのもどかしさが刺さる人にとって、最高の作品になる。

黄泉のツガイの実績

🏆 受賞歴

このマンガがすごい!2024年版 オトコ編 第2位

マンガ大賞2024 第2位 / 次にくるマンガ大賞2023 第2位

3つの主要マンガ賞で連続2位——業界全体が「これは本物だ」と認めた作品。

荒川弘が11年後に選んだ舞台は、すぐには答えを渡してくれない。
でも、だから読む手が止まらない。

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