ホタルの嫁入り|殺し屋に「結婚して」と告げた令嬢の話

刃先が喉元に迫ったとき、あなたならどうする。叫ぶか、懇願するか、目を閉じるか——それとも、にこりと微笑んで「結婚してください」と言えるか。

ホタルの嫁入り 表紙

ホタルの嫁入りが描くもの

華族令嬢・桐ヶ谷紗都子は、父への贈り物を探しに町へ出た。その日、何者かに雇われた輩に拉致され、殺し屋・後藤進平の前に連れ出される。

進平が刃を向けた瞬間、紗都子は口を開いた。「結婚することを条件に、私を助けてください」——死の直前に出たのは、泣き声でも懇願でもなく、取引だった。

これは生き延びるための嘘だ。いつか桐ヶ谷家に戻るまでの、偽装結婚。でも追っ手から逃げながら共に過ごす時間が積み重なるほど、「嘘」と「本物」の境界線がどこにあるのか、読んでいるこちらまでわからなくなっていく。

華族のお嬢様と、人を殺して生きてきた男。
守るはずの側が、いつの間にか守られている。

危険な逃避行の中で、紗都子は守られるだけではない。令嬢としての頭と胆力で局面を切り開いていく。進平もまた、「仕事」と割り切れない何かを彼女に感じ始める。

ホタルの嫁入りを読むとこんな体験ができる

  • 嘘をついている側の、じりじりした緊張と高揚
    「いつバレるか」ではなく「どこまで本気になってしまうのか」という感覚が、最後まで抜けない。
  • 守る側と守られる側が静かに入れ替わる瞬間の衝撃
    殺し屋が令嬢を守る、そのはずが——読み進めるほど、どちらが誰を守っているのかがわからなくなる。
  • 「この令嬢、すごい」と思わず前のめりになる快感
    弱さを武器に局面を打開する紗都子の立ち回りに、ページをめくる手が止まらなくなる。
  • 大正ロマンの空気ごと引き込まれる感覚
    着物、洋館、華族社会。その美しい舞台に殺気と陰謀が交差する。絵を目で追うだけで没入できる。

こんな人にホタルの嫁入りは刺さる

  • 「どうせ少女マンガの恋愛は甘いだけだろう」と少し冷めている人
    甘くない。危険で、嘘だらけで、それでも目が離せない。砂糖菓子ではなく、刃に蜜を塗ったような話だ。
  • 「強くなければ生き残れない場所で、それでも優しさを捨てていない人」に惹かれる人
    紗都子の武器は剣ではなく、頭と言葉と覚悟だ。その在り方が、読んでいる側の心の奥を静かに突いてくる。
  • 「美しい絵の中で、きれいではない人間関係を見たい」と思っている人
    大正という美しい舞台に、殺し屋と令嬢という歪な組み合わせの軋みが響く。その歪さがページをまたぐごとに魅力になる。

ホタルの嫁入りの実績

🏆 受賞歴

2024年「このマンガがすごい!」オンナ編 9位

2024年「次にくるマンガ大賞」Webマンガ部門 10位

2024年を代表するマンガランキング2冠入賞に加え、アニメ化も決定。多くの読者に発見される前から「次のビッグタイトル」として注目されていた作品が、いよいよ本格的に動き出している。全11巻、すでに完結済み。

まず1巻だけ。それだけでいい。

刃を向けた男に「結婚してください」と言えた令嬢の、
最初の夜を見届けてほしい。

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